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プレスリリースで積み上がるのは何か|自社サイト・配信・報道の3層設計

プレスリリース配信直後は検索ボリュームが一時的に高まります。配信LPと関連記事を事前に用意し、内部リンクで自社ドメインに流入を引き込む連動運用の進め方を解説します。

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ATK編集部

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プレスリリースで積み上がるのは何か|自社サイト・配信・報道の3層設計
目次

結論から書く。プレスリリースは検索流入を作る道具ではなく、指名検索を作る道具だ。配信サイトに載ったページは自社の資産にならず、検索で残るのは配信元のドメインである。だからリリースを出すたびに、同じ内容を自社サイト側にも残しておかないと、発信の回数だけ増えて手元には何も貯まらない。

この記事は、従業員50〜500名規模のBtoB企業で、広報とWeb運用を兼ねている担当者と、その予算を判断する立場の方に向けて書いている。リリースは定期的に出しているのに、サイトの流入も問い合わせも変わらない、という状況が想定読者だ。以下では前提を一次資料で確認し、発信先を選ぶ判定表と、リリース1本の価値を計算する式を置く。

配信で作れるのは指名検索である

まず検索側の前提を確認する。Googleのスパムポリシーは「大量生成されたコンテンツの不正使用」を、ユーザーをサポートすることではなく検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成することと定義し、他サイトの内容を同義語置換や翻訳でわずかに変えただけの複製、複数の情報源の断片を意味のある改善なしにつなぎ合わせたページを例として挙げている。出典:Google 検索セントラル「スパムに関するポリシー」(最終更新 2026年5月18日)https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies?hl=ja

同じ本文が複数の配信先に載る構造は、この定義そのものではないが、検索側から見て自社ページが選ばれる理由も作らない。読み取れるのは、配信の本数を増やすことと自社サイトの評価が積み上がることは別だ、ということだ。配信で狙えるのは、社名や製品名で検索してもらう回数を増やすことのほうである。

もう1つ、表示の扱いに関する制度上の前提がある。消費者庁は景品表示法に関する情報を公開しており、令和5年10月1日からステルスマーケティングが景品表示法違反となることを明示している。出典:消費者庁「景品表示法」https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/ 費用を払って掲載してもらう場合の表示の扱いは、消費者庁の資料と、必要に応じて専門家に確認してほしい。この記事は制度の解説ではなく、発信の設計を決める判断軸を示すものである。

自社側の実測は無料で取れる。Google Search Console はGoogleが無料で提供しているサービスで、検索パフォーマンス(表示回数・クリック数)、インデックス登録の状況、セキュリティ上の問題の通知、自サイトへのリンク、構造化データの誤りを確認できる。出典:Google Search Console ヘルプ「Search Console の概要」https://support.google.com/webmasters/answer/9128668?hl=ja 社名での検索がリリース後に増えたかは、ここで確認できる。

リリースを出しても手元に残らない場面

実際に起こりうる状況を5つ挙げる。

  • 配信して終わりにしている状態:配信サイトには載るが、自社サイトには何も残らない。数か月後に同じ話題を検索しても、出てくるのは配信元のページだけで、自社サイトは表示されない。
  • 自社サイトにも同じ本文をそのまま載せている状態:まったく同じ文章が複数のドメインに並ぶ。読み手にとってどれを読んでも同じで、自社ページを選ぶ理由がない。
  • 配信本数を目標にしている状態:月に何本出したかが報告される。ところが社名検索も問い合わせも動いておらず、本数と成果の間に経路がない。
  • リリースの内容が発表事実だけの状態:何をいつ始めたかは書いてあるが、読み手が判断に使える材料がない。報道側にも取り上げる理由がなく、検索側にも残らない。
  • 効果を測る指標を決めていない状態:出した後に何を見るかが決まっていない。社名検索の推移も、配信元からの流入も記録していないため、続けるかどうかの判断ができない。

5つに共通するのは、配信を発信の全体だと考えて、自社側に残す設計をしていない点だ。

発信3層|どこに何を置くか

発信先を、自社サイト・配信サイト・報道の3層に分けて役割を決める。ここではこれを発信3層と呼ぶ。同じ話題でも、層ごとに置くべき内容が違う。

そこで果たす役割置く内容測る指標
自社サイト検索で見つかり、判断材料として読まれる発表事実に加えて、読み手が判断に使える背景と基準表示回数・クリック数・問い合わせ
配信サイト社名や製品名を知ってもらう発表事実を簡潔に。詳細は自社サイトへ誘導する社名での検索回数、配信元からの流入
報道第三者の文脈で扱われる記者が記事にできる材料。数字と背景掲載の有無と、掲載後の社名検索

同じ話題を層ごとに書き分ける基準も決めておく。

要素配信サイト側自社サイト側
本文発表事実を簡潔にまとめる同じ本文を流用せず、判断材料を足して書き直す
背景短く触れる程度なぜ今それをやるのか、何を解こうとしているかを書く
読者広く不特定想定読者を業種・規模・立場で絞る
導線詳細ページへの1本関連する既存記事へ内部リンクを張る
更新基本的に更新しない状況が変わったら更新し、更新日を示す

リリースの内容そのものも、粒度を揃える。

ありがちな書き方読み手から見た状態改善後の書き方
新サービスを開始しました自分に関係あるか判断できないどんな状況の会社の、どの作業が変わるのかを書く
業界初の取り組み何が初なのか根拠が読めない比較の範囲と、その判断の根拠を書く。書けないなら使わない
好評につき提供開始裏付けが分からない裏付けを示せないなら書かない。判断基準として書き直す
大幅に効率化されますどの工程がどれだけか読めない変わる工程を名指しし、計算の式で示す
多くの企業様にご利用数の裏付けがない数を書けないなら、対象となる業種や規模の条件で書く

運用の手順は次のとおりだ。上から順に実施する。

  1. リリースを出す前に、自社サイト側に置く記事の構成を決める
  2. 配信用は発表事実を簡潔に、自社用は判断材料を足して別々に書く
  3. 自社サイト側の記事から、関連する既存記事へ内部リンクを張る
  4. 配信後、Search Console で社名・製品名の検索回数の推移を見る
  5. 配信元からの流入を、検索経由と分けて記録する
  6. 3か月ごとに、社名検索と問い合わせが動いたかを確認する

発信3層を自社に当てはめると、たとえば次の3つのパターンに分かれる。

  • パターンA:配信だけで自社側に何も残っていない状態。過去のリリースが自社サイトに見当たらない。この場合は次回から自社側の記事を先に作る。過去分も、判断材料を足して自社サイトに書き直す価値がある。
  • パターンB:同じ本文を両方に載せている状態。読み手にとって自社ページを選ぶ理由がない。自社側は判断材料を足して書き直す。内部リンクの張り方は内部リンク最適化の考え方に沿う。
  • パターンC:本数は出ているが指標がない状態。社名検索も配信元からの流入も記録していない。この場合は本数を減らしてでも、測る仕組みを先に作る。時期ものの設計は季節コンテンツカレンダーで扱っている。

リリース1本の価値はどう計算するのか

計算経路は2本ある。1本目は「社名検索の増加 × 問い合わせ率 × 商談化率 × 受注率 × 平均受注単価」、2本目は「自社サイト側の記事が生む継続的な流入」だ。配信そのものではなく、この2つで測る。

経路1(指名検索側):リリース後3か月の社名検索の増加分(人)× 問い合わせ率(%)× 商談化率(%)× 受注率(%)× 平均受注単価(円)= 3か月の寄与額。仮に増加分を150人、問い合わせ率5.0%、商談化率50%、受注率20%、平均受注単価100万円と置くと、150 × 0.05 × 0.5 × 0.2 × 1,000,000 = 750万円。指名検索は問い合わせ率が高いぶん、少ない人数でも金額が動く。

経路2(自社記事側):自社サイトに残した記事の月間流入(人)× 問い合わせ率(%)× 商談化率(%)× 受注率(%)× 平均受注単価(円)= 月間の寄与額。仮に流入80人、問い合わせ率1.0%、商談化率50%、受注率20%、単価100万円と置くと、80 × 0.01 × 0.5 × 0.2 × 1,000,000 = 月8万円。配信ページと違い、こちらは翌月以降も残る。

経路3(判断):経路1は一時的、経路2は継続する。だから配信の本数を増やすより、1本ごとに自社側の記事を確実に残すほうが積み上がる。数値はすべて仮置きなので、自社の実測値に置き換えてほしい。導線の型はCTAライブラリの考え方に整理してある。

よくある質問

プレスリリースでSEOの効果は出ますか

配信ページの評価は配信元のドメインに付くため、自社サイトの評価が直接積み上がるわけではない。狙えるのは社名や製品名での検索が増えることであり、その効果を自社サイトで受けるには、自社側にも記事を残しておく必要がある。

同じ本文を自社サイトにも載せてよいですか

載せる場合も、そのままの流用は避けたほうがよい。同じ文章が複数のドメインに並ぶと、読み手にとって自社ページを選ぶ理由がない。発表事実は共通でよいが、背景と判断材料を足して書き直す。

配信の本数は多いほうがよいですか

本数と成果の間に経路がないなら、増やしても変わらない。まず社名検索の推移と配信元からの流入を記録し、動く発表の型が分かってから本数を検討する。

有料の掲載枠を使う場合の注意点は

費用を払って掲載してもらう場合の表示の扱いは、消費者庁の資料で確認する。令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反とされているため、判断に迷う場合は専門家に相談するのが安全だ。

効果はいつ測ればよいですか

社名検索は配信直後から数週間、自社サイト側の記事は数か月かけて動く。時間軸が違うので、同じタイミングで測ると片方を見誤る。前者は週次、後者は月次で分けて見る。

報道に取り上げてもらうには何が要りますか

記者がそのまま記事にできる材料が要る。発表事実だけでは記事の形にならないため、なぜ今それが起きているのかという背景と、読者にとっての意味を添える。自社の宣伝ではなく、その分野で何が動いているかの説明として書けるかどうかが分かれ目になる。

自社サイト側の記事はいつ公開しますか

配信と同時か、その直前に公開しておく。配信を見て社名で検索した人が、その時点で自社サイトに何も見つけられないと、せっかく作った指名検索が受け止められない。公開の順序としては、自社側が先にあるほうが安全だ。

過去のリリースはどうしますか

自社サイトに残っていないものは、判断材料を足して書き直す価値がある。ただし発表当時と状況が変わっている場合は、現在の内容に更新し、更新日を示す。古い内容のまま残すと、読み手を誤らせる。

まとめ|配信の前に自社側を作る

プレスリリースで積み上がるのは指名検索であり、自社サイトの評価ではない。だから設計としては、配信の前に自社サイト側の記事を用意し、配信用は発表事実を簡潔に、自社用は判断材料を足して別々に書く。そして社名検索の推移と、自社記事の流入を分けて測る。この形にすると、発信のたびに手元に何かが残る。

ここまでの発信3層で、配信だけで自社側に何も残っていない、同じ本文を両方に載せている、社名検索も配信元からの流入も記録していない、のいずれか1つでも当てはまるなら、次のリリースを出す前に自社サイトの現状を一度まとめて見たほうが早い。無料のSEO診断では、社名・製品名での検索回数の推移、他ページから1本もリンクされていないページの一覧、記事ごとの流入と問い合わせの結び付き、そしてテーマごとのハブ候補を出す。申し込み時に自社サイトのURLと、直近1年に出したリリースの本数、自社サイトに残っている本数を用意しておくと、初回のやり取りだけで次に作るべきものが決まる。

次のアクション

検索を「問い合わせ」に変える次の一歩

記事の内容を自社で動かすときの進め方や費用感は料金プラン、画面や運用イメージはデモ・製品紹介、実際の成果は導入事例からご覧いただけます。

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評価は次回以降のTrend Watch記事の品質改善に使います。

よくある質問

プレスリリースを配信サービスに出すだけではいけないのですか?

配信サービスのページはドメインが配信サービス側になるため、流入が自社サイトに蓄積されません。自社ドメイン上に配信LPと関連記事を置くことで、検索評価が自社に積み上がり、中長期の流入につながりやすくなります。

関連記事は何本くらい用意すればよいですか?

発表内容の規模によりますが、配信LPに加えて関連詳細記事を2〜3本用意するところから始めるのが現実的です。配信後に流入キーワードを確認しながら、需要のあるテーマに絞って追加していくやり方が無理のない進め方です。

小規模なリリースでも連動運用は必要ですか?

小規模な発表の場合は配信LPだけ用意し、詳細記事は配信後の反響を見てから判断する形でも構いません。まずは1回の発表で試してみて、自社の状況に合ったスコープを見つけることをおすすめします。

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